● 渡辺邸ドアハンドル

「ロートアイアンのドアハンドルなんですが・・錆びないようにして欲しいんですけど・・」 時折、そんな注文があります。実は、そう云われても困るんです。

「あの、鉄が錆びるのは、云わば、鉄の宿命です。出来る限りの処理はしますが・・地球上で錆びない鉄を作ることは出来ません。逆に、錆びることで鉄のすばらしい風合いが出ると思います。ですから、長い時間をかけて錆びていく鉄を楽しんで下さい。」大変失礼だとは思うのですが・・こう答えています。

アトリエ・テクト(一級建築士事務所)の佐藤成美さん、この人の考え方は少し違っていました。

WI 4のドアハンドルを引き戸に使いたいのですが」・・あっ!引き戸というのもありだな・・まずそう思いました。

「私は、百年もつ家を造りたいんです。」

「あの、鉄ですから、出来る限りの処理はしますが・・錆びますよ。」

「もちろん、そうですよね。木だって痩せますよ。そこが良いんです。上手に歳をとってくれるような家にしたいんです。」

うわっ!この人、同じこと考えてる! 佐藤さんの仕事を見てみたくなりました。

こちらも、木が痩せることを考慮に入れて、内と外のドアハンドルをつなぐ部品を、引き戸の幅より心持ち短くしておきました。また、仕上げは、お茶で長時間煮る・・など上手に歳をとっていける工夫をさせてもらいました。佐藤さんも施主の渡辺さんも大喜びでよかったよかった。

佐藤成美さんのE-mail アドレス tect-sato@hi-ho.ne.jp

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